ごあいさつ
▼略歴
昭和63 年 
大分医科大学卒業,医師免許取得
第一内科に入局,研修医
平成元年
同大学院入学
平成5年
大学院修了
米国メイヨークリニックに留学
平成6年
大阪大学医学部薬理学 助手
平成11年
大分医科大学第一内科 助手 
平成18年
大分大学医学部附属病院 講師
平成21年
大分大学医学部 臨床検査・診断学講座 准教授
平成25年8月~
大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座 教授
▼所属学会
日本循環器学会(九州支部代議員)
日本不整脈心電学会(理事)
国際心血管薬物療法学会日本部会(理事)
日本病態生理学会(理事)
▼雑誌編集
Circulation Journal  Editorial Board
▼ガイドライン執筆
不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
循環器薬の薬物血中濃度モニタリングに関するガイドライン(2015年度版)
遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン(2017年改訂版)
不整脈薬物治療に関するガイドライン(2020年改訂版)
不整脈の診断と心臓突然死の予知に関するガイドライン(作成中)
▼受賞
Circulation Journal Best Reviewers Award 2011~2014,2016~2019
 私たちのホームページにお越しくださりありがとうございます。教授を拝命して丸7年が経ちました。いい仲間(医局員)に恵まれていることを日々実感します。母校,大分医科大学出身の教授として残り任期8年余,座右の銘にしている「感謝・反省・謙虚」を言い聞かせながら全力投球で頑張り続けたいと思います。
 医学部の講座には,「診療」「研究」「教育」の3つが求められます。どれも大切ですが,「教育」は特に大切だと思っています。クリニカルクラークシップでは医局スタッフが忙しい合間を縫ってわかりやすいレクチャーをし,また病棟でも親身になって学生さんの指導をしてくれています。学生さんのアンケートでも循環器内科は評判がよく嬉しく思っています。そんな学生さんがやがて卒業し,立派な医師になっていく姿を見るのは頼もしい限りです。
 「診療」では,常に右肩上がりの稼働であり病院収益に貢献しています。虚血性心疾患,不整脈,心不全,肺高血圧,心臓リハビリテーション,心エコー図など非侵襲的検査,いずれの分野もしっかり立ち上がってきました。心臓血管外科とのコラボも順調で,TAVIの症例数も増えています。放射線部の技師さん,看護師さん,病棟の看護師さん,検査部の技師さんをはじめ多くのスタッフのご協力に,この場を借りて感謝申し上げます。
 「研究」では,心外膜脂肪と心房細動をテーマに,2019年,2020年と,2年連続で大学院生が日本不整脈心電学会学術奨励賞最優秀賞を受賞しました。独創的な発想と,何といっても本人たちの努力が実った結果です。この分野では世界のトップレベルを走っていると自負しています。今年の春からは,心臓血管外科(宮本伸二教授)のご協力を得て,「ヒト心血管・脂肪組織を用いた心血管イベントの発症予測とそれに基づく最適な治療法の開発のためのコホート研究」を開始しました。将来性のある研究で大きな期待を寄せています。
 さて,講座の発展にもっとも重要なのが「人材」であることはいうまでもありません。医局員はみな家族です。医局員を大切にすることで医局は発展していきます。「医局」という存在は,医局員本人だけでなく,その家族の面倒までみるべきと思っています。ダイバーシティ(多様性)の時代でもあります。勤務先,勤務形態も,型や枠にはめるのではなく,それぞれの医局員にとって,よりよく能力を発揮でき,働き甲斐を実感できる「居場所」を見つけてあげることが大切だと思っています。
 医局運営,必ずしも順調にいかないこともあります。くじけそうになることもあります。そんな困難に直面した時に,私は読み返す本があります。稲盛和夫さん(京セラ創業者,JAL再建時の会長)の『生き方』です。もう何十回読み返したことでしょう。稲盛さんは会社経営について以下のように述べておられます。
「...困り果てた私は,とにかく人間として正しいことを正しいままに貫いていこうと心に決めました。すなわち,嘘をついてはいけない,人に迷惑をかけてはいけない,正直であれ,欲張ってはならない,自分のことばかりを考えてはならないなど,だれもが子どものころ,親や先生から教わった-そして大人になるにつれて忘れてしまう-単純な規範を,そのまま経営の指針に据え,守るべき判断基準としたのです。」
15年ほど前,この本を初めて手にした私は手が震えました。「これがまさに自分の探していた生き方だ」と勇気をもらいました。教授を拝命したとき,この稲盛流の生き方をお手本にして医局を運営していこうと誓いました。完璧に実行できているとは言えませんが,「人間として正しいかを価値判断にする」ことで幾多の困難を正面突破できたのも事実です。
 このホームページを訪れてくれた若い研修医の先生や学生さん,ぜひトップページに戻り,「入局案内」をクリックしていただけませんか。私たちの講座の“雰囲気のよさ”と“やる気”とを実感していただきたいです。私たちは“あなた”の力を必要としています。
(令和2年11月)
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