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循環器内科の特徴と当科のアピールポイント

1. 救急対応に強く、全身の循環動態管理も得意

生命に直結した疾患や緊急対応を求められる患者が多く、救急との親和性が強い科でもあるため、医師として様々な場面での対応力を高めることができます。また、治療と同時に循環動態のコントロールを必要とされることが多々あり、必然的に全身管理が得意となります。

2. 内科の中でも外科的な手技が多い

カテーテル(PCI・アブレーション・ストラクチャー)、デバイス、補助循環(IABP・IMPELLA・ECMO) など観血的な治療が増えており、また、それらには緻密な操作が要求されるため、それぞれの手技を極めて職人になることも可能です。

3. 他科との連携で総合力・人間力がアップ

診断・治療の他、内服調整や術前の心臓評価など、急性期から慢性期まで様々な診療科からコンサルトを受けるので、他科の医師と話をする機会がたくさん得られます。そのため、診療に関する知見が拡がります。さらにコミュニケーションを重ねれば、話しやすくなって診療外の所でも仲良くなれる(かも知れません)!

1. 女性医師も働きやすい

妊娠・子育て中は外来や生理検査室での時短勤務など人生のイベントに合わせて働き方を選択することができます。現在、エコー医としては4人のママさんドクターが活躍中!

2. チーム制を導入し、ワークライフバランスを確立

医師の働き方改革に合わせ、業務改善に全力を挙げて取り組んでいます。チーム制を導入することで、オンコールに当たる日数を減らしたり、オンオフをはっきりつけた働き方を実現しています。これにより、趣味や家族との時間を増やすことができ、ワークライフバランスの充実を図っています。

3. 心臓血管外科と距離感が近く、共同研究も行っている

月に一回、当科と心臓血管外科で合同カンファレンスを行っています。さらにストラクチャー治療や心臓移植患者に関しても両科で定期的にカンファレンスをしており、TAVIなどの治療について一緒に臨んでいます。また、研究面でも協力してデータや検体を収集しており、一つの大きなハートチームとして風通しの良い関係を築いています。

研修について

1:初期臨床研修について

当科では循環器分野全般についての診療を行っており、冠動脈造影やスワンガンツカテーテルなど基本的なカテーテル検査を始め、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、Structural Heart Disease治療(TAVI・Mitra Clipなど)、カテーテルアブレーション、心臓デバイス(ペースメーカー、ICD、CRT-P/D)植込みなど、多岐にわたる手技を実施しています。また、救急の現場では急性冠症候群に対する緊急カテーテル治療や機械的補助循環療法(IABP・IMPELLA・ECMO)、不整脈に対する電気的除細動なども行います。さらに回復期には効率的な心機能回復を目指し、心臓リハビリテーションを行っています。

初期臨床研修においては、一般臨床医として欠かせない基本的な循環器疾患に対する知識と技術の修得を目標にしています。具体的な例として高血圧や脂質異常などによる動脈硬化と虚血性心疾患・心臓弁膜症・心筋症・不整脈、およびそれらに起因する心不全、そして循環器救急疾患への対応など、他科でも役立つ知識と技術が身に付くようにしています。

病棟では常に3~5例の入院患者を担当し、それぞれ上級医のサポートを得ながら治療に当たります。緊急時にはファーストとして上級医と共に診断から治療までを経験することができます。

循環器疾患は将来どの科へ進んでも遭遇します。心電図判読や循環動態の管理は苦手となりがちですが、是非当科にてその初期対応法を身に付けてもらえればと思います。

2:後期臨床研修について

自分の希望する将来像に合わせ、こんな医師になりたい、という想いに応えます。そのため、仕事面だけではなく、出産や育児といったライフイベントも視野に入れ、医局と相談しながら自由に研修内容やスケジュールを選べます。

研修先は大学病院や市中病院の他、地域拠点病院や大学病院救急部といった選択肢もあります。大分での研修後、力がついたところで県外の大規模な専門病院や国内外の大学への留学も希望に応じて選択することができます。

⚫︎主な留学先

【国内】

  • 小倉記念病院 循環器内科
  • 東京女子医科大学 循環器内科
  • 湘南鎌倉総合病院 循環器科
  • 国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門
  • 榊原記念病院 循環器内科
  • 済生会熊本病院 循環器内科

【国外】

  • Krannert Institute of Cardiology and the Division of Cardiology, Indiana University School of Medicine,USA(Pro. Peng-Sheng Chen)
  • Institute of Molecular Cardiobiology, Johns Hopkins University,USA(Pro. Eduardo Marbán)
  • John Radcliffe Hospital, Division of Cardiovascular Medicine, University of Oxford(Pro. Charalambos Antoniades)

大学院での基礎研究以外に、じっくりと臨床研究を続けながら学位(博士号)取得を目指す方もおり、臨床・研究両面においてどちらも一緒にキャリアアップを図ることが可能です。また、大学院卒業後、臨床へ戻られて活躍されている先生も多数います。

地域医療に貢献したいと考えている方、将来クリニックを開業・引き継ぐことを考えている方も歓迎します。また、女性医師の方が結婚・出産後にも活躍できるような働き方の提案も用意しています。

キャリアパス

それぞれの得意分野に特化して検査や治療(臨床)を極める人、循環器を主軸とした一般内科医として幅広く活躍する人、へき地医療の要となって地域へ貢献する人、研究を志す人など、キャリア形成のパターンは人によって様々です。実際の当科におけるキャリアパスの例をご紹介します。

取得可能な循環器関連資格
  • 日本内科学会 認定内科医/内科専門医/総合内科専門医
  • 日本循環器学会認定循環器 専門医/指導医
  • 日本心血管インターベンション学会(CVIT) 認定医/専門医
  • 日本経カテーテル心臓弁治療学会 TAVR実施医/指導医
  • 日本不整脈・心電学会 不整脈専門医
  • 日本高血圧学会 専門医/指導医
  • 日本心臓リハビリテーション学会 指導士/認定医/上級指導士
  • 日本心エコー図学会 SHD認証医/専門医
  • 日本動脈硬化学会 専門医/指導医
  • 日本移植学会 移植認定医
  • AHA BLS・ACLS instructor/director
  • ICLS instructor/director
  • JMECC instructor/director、など

循環器専門医を取得の後、関連施設で3年間の基本プログラムをこなすことで以下の資格も取得が可能です。

  • 日本救急医学会 救急科専門医
  • 日本集中治療医学会 集中治療専門医
  • 日本臨床検査医学会 専門医

先輩インタビュー

現在、大分大学医学部循環器内科で実際に働いている4人のドクターに、循環器内科を選んだ理由や臨床現場での経験、今後の目標についてインタビューを行いました。バナーをクリックしてお読みいただけます。

よくある質問

医局・研修について

見学はできますか?

いつでも可能です。お問い合わせより、ご連絡をお待ちしております。

女性医師はどれくらいいますか?

当講座全体の2~3割程度が女性医師となっています。

怖い先生はいますか?

いません。みんな穏やかで仲良しです。緊急の現場でも冷静に対応していますので、ドラマみたいに大声が飛び交うようなことはありません。

循環器内科の研修はあまり休めないイメージがあります。

上級医と一緒に患者さんを担当しますが、基本的に初期研修医が夜間や休日に呼び出されることはありません。またカンファレンスも平日の日中で、夜遅くまで病院に残ることは滅多にありません。

勤務・福利厚生について

土日や休日は休めますか?

休日の対応は「当番(オンコール)制」となっており、当番でない日についてはお休みとなっています。

当直やオンコールの回数はどれくらいありますか?

大学病院の病棟当直は腎臓内科や糖尿病内科、膠原病内科と共同で分担していますので、月に1回程度となっています。平日の循環器オンコールは月3回程度、土日休日については月2回程度回ってきます。

夏季休暇や年末年始の休みは取れますか?

夏季休暇はみなさん5日以上(前後の土日まで含めると7~9日程度)をどこかのタイミングで必ず取ってもらいます。GWや年末年始など長期の連休期間に関しては公平にくじ引きで日当直を決めます。

産休・育休はありますか?

女性医師はもちろん、男性医師で実際に育休を利用された先生も複数(ここ3年では3人)います。

大学院生の生活はどのような感じになるのですか?

大学院生は入院患者を担当しません(病棟フリー)。1週間の内、1~1.5日は大学外の病院で循環器外来業務を、残りの時間は実験を行うことに専念してもらっています(外勤先で当直することはあります)。

学会・研究について

学会や研究会の参加に補助は出ますか?また、海外への学会は参加できますか?

国際学会を含め、みなさんには積極的に参加してもらいたいと思っています。そのため、出張費については一部を大学からの補助の他、講座でも負担します。

論文は書けますか?テーマは与えてもらえるのでしょうか?

意欲がある方には症例報告以外にも臨床研究について英文・和文論文を執筆してもらっています。また、大学院では指導教官の下で学びながら学位取得を目指します。